キミの運命の人は俺じゃない
゙コンコン"

「どうぞ」

抜糸も無事にすみ、正常勤務に復帰したため、私は部長に挨拶に伺った。
「長田です。失礼します」

ドアを開けると先客がいて、口腔外科部長と外科部長がコーヒーを飲みながら談笑していた。

「来客中にすみません」

「あぁかまわないよ、今回は大変だったね」

「いろいろご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
深々と頭を下げると外科部長が
「腕を見せてくれるかい?
佐久間先生が縫合したんだろ?
大事な長田先生の腕に傷を残さないようにずいぶん頑張ったんじゃないのかい?」
「えっ?」

「 最近ケンカでもしたかな?
やたらと不機嫌なんだよね。早く仲直りしてくれよ。」
「そうそう、式の日取り決まったら早めにいってくれよ?仲人は私でも外科部長でもどちらでもかまわないからな」

「ええっと…部長話がよく見えませんが…」
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