拝啓 元カレ上司サマ

掃除機のスイッチを切って、やれやれと額に滲んだ汗を拭って、フウッと一息ついた時だった。

ガタンと物音がして、薫子の大きな泣き声が聞こえる。

ただ事ではないと、麗香は縺れる足を必死に動かして子供部屋へと急いだ。

「宗也さんどうしたの?」

横たわる宗也の傍にいる薫子がギャンギャンと泣いて、パパの異変を知らせてくれたのだ。




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