拝啓 元カレ上司サマ

冷や汗で寒気がするような気さえする煌太は、麗香と目が合わせられなくて、おろおろするばかり。

それでも、この写真が撮られた記憶はあるが、そもそも、麗香には一生隠し通したい罰ゲームのキス写真なんて、誰が好き好んでもらうものかと、思い直した。

煌太が言い訳せねばと言葉を選んでいる間に、激昂した麗香は“別れ”を告げて去って行くという、最悪の事態となってしまったのだ。

そして、茫然自失となり、麗香を追い掛けるなどという考えにも至らず…。

その後の煌太だが、麗香にあらゆる手段で接触を図ったけれど、ことごとく無視され、マンションの鍵は替えられ、会社やマンションに来たらストーカーで警察につき出すなどと言われては、共通の友人もなく弱りきった煌太には、もう為す術がないように思われた。





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