今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

「俺、街出てくる前に喧嘩やって口の中切れてんだ」

「っあ、」



伸びてきた手が、上唇をなぞり。


「だから、軽く……な」


響平は人差し指と親指で私の口をわずかに開かせると、そのまま2本の指を中に差し入れてきた。



キス、するんじゃないの……?


響平の指先を噛んだ状態。

少し大きく開けば、さらに奥に入ってこようとするから、慌てて力を入れた。


「痛っ」

と、低い声が笑う。


なぜか満足気に目を細めて、見下ろしてくる。

その笑顔が妙に艶っぽく見えてドキリとした。



「やっぱお前、可愛いよな」


私の唇からゆっくりと離した指先に、響平が自分の唇をそっと近づけるから
直接キスされたわけでもないのに、心臓がドキンと跳ね上がった。



すぐ、可愛いって言う。

口癖みたいなものかもしれない。


私なんかにもそう言ってくれるんだから、本当に可愛い子には、もっと、とびきり甘いセリフを吐くに違いない。



──美月ちゃん、にも……?


もやっとなった私をよそに、響平はいつのまにか胸元まで服を捲り上げていた。
< 152 / 327 >

この作品をシェア

pagetop