今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


「前にも言った気するけど、お前に名前呼ばれると応えたくなるんだよ」


響平がやけに優しい声で何かを言っているのはわかっても、それと同時に、大きな手がギリギリのラインを攻めてきて。


頭が考える余裕を無くす。

触れられるたび息を止めて、ヘンにうわずった声がもれないようにこらえていると、それに気づいたのか、滑らせる指の動きに緩急をつけてきた。


呼吸のタイミングが合わなくなる。



「ねえ……っ」

「うん?」

「わざと、だよね」

「何が」


いじわるく口角を上げただけで、止まってくれることはなく。



「つうか、大丈夫だから。息、止めんなよ。苦しいだろ」

「……え?」

「気にしなくていい。マジでやばそうな時は、俺が口塞いでやる」



そのセリフに返事をする余裕は、もう残っていなかった。

胸の奥の熱いものを抑えこんでいたストッパーが外されて、体からぐったりと力が抜ける。
< 154 / 327 >

この作品をシェア

pagetop