Love Eater




六花とようやくの再会を遂げ誤魔化していた想いをぶつけたのは1週間ほど前。

ソルトとしては他の何を差し置いても六花が特別であると全力で思いの丈をぶつけたつもりであった。

そんなソルトの全力い六花も少なからず凍結させてしまっていた感情を溶かし応えてくれていたと思うのだ。

ただ、そこからが問題。

予想外も予想外。

ソルトからしたら実にライトな愛情表現がどうやら六花には成熟過ぎたらしく、弁明も聞く耳持たずにパッと再び雲隠れされてしまったのだ。

今まであれだけ大胆に誘いをかけていた割に、いざ蓋を開けてみれば年相応に未成熟な六花であったらしい。

『無理っ!溶けるっ!』

なんて捨て台詞に可愛いと思えたのは一瞬の事。

今となっては時間が経つほどに『無理』という響きに毒を感じる始末。

「百夜サマぁ……【無理】ってなんだろうな?」

「クックックッ、それもまた飽きもせずってやつだよ。ほぼ毎日僕というより自問自答して撃沈してるじゃない?リっ君」

「だって……だって……無理ってなんだよぉぉぉ!?」

「ククッ、そのまんま、【無理!】【嫌!】的な意味じゃないのかな」

「キスしただけだぞっ!?至ってノーマルな愛情表現の一つだろ!?」

「甘噛みしまくったとも言ってなかった?」

「甘噛み程度だぞ!?」

「だーかーらぁ、もうそこで魔女子ちゃんの未成熟な感覚と完全にずれ込んじゃってるんだって」

毎日毎日本当に飽きもせずに同じ問答によくここまで落ちれるものだと、さすがの百夜をも苦笑させるのだからソルトの落胆も大したものだ。

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