Love Eater


いくら見た目が狼だろうが中身は人間の男なのだ。

ただでさえ六花に対する欲情を抑制するのに苦労しているのに、風呂で隅々まで洗われた日には…。

しかも、裸で。

想像するだけでも自分の地獄絵図が鮮明だ。

当然、ごめん被る!!と伏せの状態で同行を拒んで踏ん張るのに、六花がソルトの首輪を掴みかかとをトトンと二回踏み鳴らした直後には薄暗い路地は視界から消えていたのだ。

代わりに広がるのは全く見覚えのないシンプルな部屋の一室。

ソファにコーヒーテーブル、TVがあるそこはリビングと言ったところか。

どこだ?なんて問うまでもない。

六花がウチに帰ろうと言った直後のこの空間なのだ。

つまりはどう頭を悩ませてみても答えは一つで、だからこそソルトが絶望に打ちひしがれて口元をヒクつかせているのだ。

「さ、綺麗にしようか」

『っ……ふざけんなぁぁぁ!!!』

そんなソルトの大絶叫など六花からすれば可愛い犬の鳴き声程度。

抵抗も虚しくズルズルと引きずられていく先は言わずもがな。

地獄行一名様ご案内。




さて、この二人の拗れ捲った関係の先はいかに?




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