呪桜 キミ思フ

「浅井さんって、新田と友達なの?」
「う……うん、そうだけど……」

隣の女の子が声かけてきた。
駿の家に居候しているから、友達に決まっているじゃん。
と思いつつ、この人たちはそれを知らないから仕方ない。

「あいつさ、いつも地味だから、なんで浅井さんの友達なのかわからないんだけど……」
「そうなの?」
「え?
 浅井さん知らないの?
 あいついつも本読んでるからさ」
「そ……そうなんだ」

駿はそういうキャラクターなのか。
と妙に納得しつつ、隣の女の子が言っていたことに少しだけ、腹を立てていた。
おまえらに駿の何がわかるのだろう。
地味とはなんだ……と。
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