神様辞めます！～転生女神は平凡を望む～

第二王子に不穏な気配

やっと見つけた。
天界から、探しに探してやっと妻のペルセポネを見つけたら、なんと彼女は驚くことに人間へと転生して、新たな人生を歩み始めていた。
｢なぜ？ どうして人間なんかに……｣
思わず呟くものの、急な用事で訪れていた天界から自身の治める冥界へと戻る時間が迫っていた。
｢ハデス様、お時間です｣
恭しく声を掛けてきた部下の言葉に頷くと、冥界へと戻ることにした。
もう、居場所は分かったのだから焦ることはないという、今までの焦燥から少し心の余裕を持って……。

そうして、何度か眺めていたが我慢ならず依代を見つけ接触すれば、ペルセポネは驚きの表情を浮かべたし、私が見つけたことを嫌がっていた。
こんなにも愛してやまないのに、なぜ彼女は逃げてしまうんだろう。
今度こそ、逃がしたくないと俺は冥界から地上である人界を覗いてはタイミングを見て依代へと移り、ペルセポネと接触を試みることにしたのだった。