神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~

そんな行き遅れを自覚して三日。
本日は王宮にて開かれる茶会に参加すべく、現在公爵家の馬車で王宮への移動中である。
今日の茶会の主催は第一王女のアマンダ・パタル王女殿下である。

彼女とは同い年で、貴族の子が通う王立学園でも同級生で、幼なじみである。
気心知れた仲であるが、そんな彼女もあと三ヶ月で隣国のナサエル皇国に輿入れが決まっていた。
彼女は皇太子妃になることが決まっており、ここ数年は忙しく嫁ぐ国の勉強や作法、輿入れ準備に時間を費やしていた。
皇太子様は、鋭い眼差しの美丈夫だがアマンダを前にすると柔らかい顔を見せる。
すでにラブラブの二人である。
今回の茶会にも、現在国同士の話し合いで滞在中の皇太子様も顔を出すだろう。

全くもって、行き遅れの私には目に毒である……。
向かう道すがら、私のため息は止まらない。
そんな私に着いてきている侍女のアリッサは言った。

「お嬢様、そんなにため息ばかりですと、さらに婚期が遠くなりますよ?」

実にいい性格の侍女である。
私付きのアリッサは私より二歳年上で、我が家の侍女頭のシルビアの娘である。
侍女頭の娘なので、同じようにロジェスタ公爵邸で共に過ごし、成長してきた。
主従関係はあれど、幼なじみで姉替わりである。
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