*SOUZI*
憔悴している慎太郎を元気づけようと
土方が散歩に連れ出した


「土方…」

「ん?」

「俺、光をコッソリつけたことがあるんだ… 新選組から江戸に戻った時…
光が新選組の募集を手伝っていると思ったから」

天を仰ぐ

「光、流産して寝込んでた」















「俺は、流産が原因で体調を崩していたと知っていたのに
こんなに悪くなると思ってなくて
知らないフリをした
容保様が気づいてくれて、医者は治ると言ってくれたんだ!
なのに… 悪くなるばかりで…
光… 大丈夫だからって笑って
刀を治すのに、無理して
俺は、体調不良もわからなくて」


「慎太郎 俺は、あの幸せそうな顔を
忘れられない
新選組に女中として、入った頃より
総司に看取られたあの笑顔が
本当に綺麗だと思う
光は、幸せだったんだ」




< 131 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop