*SOUZI*






沖田の病状は、安定していた
薬がきいていた

このまま、回復するはず

医師からも心強い言葉を貰った


そんな矢先、山南が屯所を脱して
切腹することになり、介錯を頼まれ
沖田は、承諾した



「先に逝く者として、言っておくよ
総司、何事も諦めてはいけないよ
何かあるんだろ?
光の為に諦めようとしているのなら
そんなことは、誰も得しない」

「山南さんこそ、諦めて逃げたんじゃないか」

「ただ逃げたんじゃないさ!
見張られていたからね
総司と話せる機会を作るにはこんな方法しかなかったんだよ
いずれ、伊東さんは、新選組をバラバラにし、近藤さんか土方君の命を狙うかもしれない
その時は、伊東さんを斬ってくれ」


天才 鬼才 鬼の子 沖田は、そう呼ばれ
仲間からも頼られていた


また… 仲間を斬れと?


「総司!お前しかいないんだ!」

「わかりました…その時がきたら」








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