*SOUZI*
光がいるという部屋を開けた

敷かれた布団を抜け
壁にもたれている光が土方の姿をチラリ

無理して作り笑いされるよりは、どんよりしたままの方がいい
しかし、光の無表情さに心臓がえぐられる気持ちになる


「なんて顔してんだ…」


光を抱きしめる

〝痩せた?〟


瞬時に気づき、枕元を見れば
食事を食べていない

光の顔を覗き見ると
泣いた様子もない


「家茂様に会えないままだったな…」


コクリと光が反応した


「悲しいよな…」

コクリ

「食うもん食って大阪に行こう!
俺がついて行くから
家茂様をお見送りしよう!」

フルフルと頭を横に振る


「い…け、ない」

上手く喋れていない光の顔を覗き

「担がない!輿に乗るならいいだろ?」



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