19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
【Side:祈梨3】大丈夫
今日、珍しく朝食の席に父がいた。

私は昨日の切り抜きを思い出してしまって、そっちへ寄らずに玄関を飛び出した。

気持ち悪い。


学校へ行くのも嫌で、昨日の場所に行こうと自転車で反対方向へと進んだ。


「おーいおはよう。浜口先生のお嬢さんじゃないか、学校へ行くんじゃないのかい?」


ゆっくりと軽トラックが近づいてきたと思ったら、知らないおばさんが声をかけてきた。

おばさんは私を知ってるみたい。当たり前か。


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