東大寺 瑠璃子
秀姫様とお美偉の方
瑠璃子姫は大奥入りが決まり、江戸城へ輿で運ばれていきました。

瑠璃子姫は秀姫様の部屋へ通されました。
秀姫様が部屋に入ってきたので土下座をして待ちました。
「東大寺夏盛の娘・東大寺瑠璃子です。」
「面(おもて)を上げよ。」
「はい。(なんて美しいお姫(ひい)さん・・・。)」
「(凛々しくて美しい・・・!)今日からそちの名は瑠璃じゃ。」
「はい。」
「わらわと上様は歴代将軍夫妻の中では仲が良い方。唯(ゆい)姫と、亡くなったが世継ぎの逸峰(いつみね)も生んだ。誰のせいで亡くなったかわかるか?」
「お美偉の方ですね?」
秀姫様は頷き。
「あのおなごが側室になってから平和だった大奥が乱れておる。表向きは良いおなごじゃが上様の寵愛を利用して欲しいものはすべて手に入れ邪魔者は消す・・・!腹黒い!!お美偉から寵愛を奪ってくれるか?」
「おまかせください。秀姫様のためならなんでもいたします。」
そう言ってほほえむ瑠璃子姫を見て秀姫様は初めて女の人にときめきました。
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