LOST~失われた日常~
ひび割れる世界
放課後、人のごった返す廊下をすり抜け部室に向かっていると後ろから不意に私を呼ぶ声がした。

「咲奈!!おーい咲奈!」

「どうしたの?…急いでるんだけど?」

聞き覚えのある声に後ろを振り向くと、そこにいたのはやはり私のもう1人の親友であり幼なじみの丸山 和樹だった。

「どうせ部室に向かってんだろ?じゃあ歩きながらでいいから聞いてくれよ!!美幸の新しい目撃情報があったらしいんだ!」

「ほんと!?」

「親父によると、ほら…あの山。あそこで美幸に似た女の子が目撃されたらしい。だからさ、今日部活終わったら行ってみようぜ!」

と、窓から見える小高い山を指さしながら和樹は説明してくれた。彼のお父さんは警部ということもあり、(本当はいけない事だけど)美幸に関する情報を私達に教えてくれていた。

「うん、いいよ。じゃあ先に終わった方が校門前で待ってるってことで。」

「りょーかいっ!!じゃ、また後でな!!」

そう言って彼は、足早に野球部の部室に入っていった。
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