ただずっと、君が好き
言っている意味はわからなかったけど、冗談を言っているようには見えなかった。


「……わかった」


それだけ言うと、聖は満足そうに笑った。





放課後、沙奈ちゃんは用ができたらしく、私と聖で沙奈ちゃんの家に行くことになった。
沙奈ちゃんのお母さんから私の分の荷物を、聖は夏希の分の荷物を受け取る。


どこで情報を手に入れたのか……なんて、沙奈ちゃんに聞いたとしか思えないけど、沙奈ちゃんの家に行ってる途中に、夏希から聖にメールが届いた。


『沙奈の家に行くなら、私の代わりに荷物持って帰って』


相変わらず、聖を便利に使ってるなって思った。


それから私たちは並んで歩いた。
すると、着替えしか入ってない荷物を、聖に取られた。


「ちょっと」
「持たせてよ。俺、夏希のよりひなたの持ちたい」


優しさの見せ方、間違ってる気がする。


私は荷物を取り返す。


「軽いから大丈夫。夏希のはお菓子とか入ってて大きいじゃん。無理しないで」


聖はじっと私を見てきた。


「な、なに……」
「ひなたって甘え下手だよな。男は適度に頼られたほうが嬉しいって知ってっか?」


聖の得意げな表情に、少し頬を膨らませる。


「どうせ意地っ張りですよーだ」
< 53 / 156 >

この作品をシェア

pagetop