さよなら、センセイ
3.先生の好きな人


「では、水泳部、リレー優勝を祝して〜カンパイ!」

体育祭が終わり、ヒロ達水泳部の面々は馴染みのお好み焼き屋に集まった。都合のつく者だけだったが三年生ほぼ全員集まっていた。

「丹下のおかげだよ。よくマジで走る気になってくれたよな」
「…これで最後の体育祭だし。盛り上げておこうかと思ってさ」
「ヒロらしくなーい。けど、カッコよかったよ」
ヒロの隣は当然のように、綺羅が座っている。


「あ、すごい、三年生ほとんど集まってるのね。今日は、お疲れ様!」
「若月先生!」


ひと足遅れて店に現れたのは、恵だ。

「めぐみ先生、ココ、座って!」
綺羅が隣を指差す。ヒロ、綺羅、恵の三人が並ぶ形だ。

「めぐみ先生も、今日は、大活躍だったねー。いっぱい食べましょ〜」

しばらくは体育祭の話で持ちきりだった。
そのうち、一年生女子がヒロに告白した話になり、話題が恋の話に変わっていった。

「いいよなぁ、新入生といい、立花といい、丹下はモテてさー
今日の活躍で、絶対ファン増えたぜ?」

男子部員からそんな声が上がる。

「綺羅とはそんなんじゃねーよ。友達だから」
ヒロはそう言ってはいるが、綺羅のほうはそれ以上の感情を持っていることは、誰の目にも明らかだった。

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