僕らの永遠を明日に見ていた



卒業を間近に控えた高校3年生、冬。




「 は?ここなんでこうなるのてかなんで数学とか存在してるの日常生活のどこで使うのまーじーでー! 」



「 ちょっとうるさい黙って。 」




凸凹なカップルが誕生した、と、ちょっとだけ噂になったのは……



確か夏のこと。



私たちは夏が好きだった。



暑くて、暑くて、そう、ただただ暑いだけの夏が好きだった。




そんな共通点だけで一緒にいるようになった関係だった。




文系に進んだユキと、理系に進んだ私



ご飯派のユキと、パン派の私。



ユキはあっさりな塩ラーメンが好きだけど、私はこってりした味噌ラーメンが好き。



こじつけみたいなことを言うなら、正門を出たあとは右と左バラバラに進む。



他にも、インドアかアウトドアかとか、好きな映画のジャンルとか、そう例えば、教室での立ち位置とか。




スラリと背の高いユキと、比較的小さめな私。



全てにおいて凸凹で正反対な私たちが一緒にいるようになったのは ………




そう確か、春だった。









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