僕らの永遠を明日に見ていた
しばらく沈黙が続いた。
だってここは私たち以外誰もいない特別教室だし。
私かユキのどっちかが喋らなきゃ、しーーんって
シーーーーンってなっちゃうようなそんな場所だもん。
なんとなく、この沈黙に耐えられなくなって私は慌てて口を開いた。
「 って私何言ってるんだろ ─── 」
「 小日向は変われるよ 」
「 ……え? 」
「 春をきっと、好きになれる。 」
そう言って手元の問題集に目を落としてしまったその表情が、ほんの少し寂しそうに見えたのは気のせい……だよね?
不安になってしばらくの間じっと見つめていると、ふとユキが顔を上げてこちらに手を伸ばした。
─── ぽん、
「 んな顔してんなよ。早くやれよ理解不能な数Ⅲとやらを 」
ギギギと音が着きそうな程に不器用に口端をあげた君に、何か嘘をついているのだと、ユキは何かまた小さな嘘を重ねたのだと思った。