夜をこえて朝を想う
第7話

side M

良かった。

安堵。

そして…

そうか…負担か。

それに、心配されてた。

私がいなきゃって思ってた。

だけど、私の方が梓に依存していたかもしれない。

前を向いて進む梓と吉良くん。

あれ?やけぼっくい?

浜川さんに、あの美女はどうするのだろう。

…どちらにせよ、私には…

私には関係ない。

いいなぁ、梓。

吉良くんの腕の中…いいなぁ。

一人だけ取り残されたように感じ

虚しい。

確かに、梓が居なくなると…何も…何も残らないな。

仕事だって、日々…ただこなすだけ。

そうか、そんな所もダメなのかもしれない。

梓も、もう大丈夫。

私も…梓の言うとおり、自分の為に…

帰ってお風呂に入ると、ベッドにダイブした。

ただ、涙が止まらなかった。

それは…安堵が、虚しさか

嫉妬心なのか、取り残させる寂しさか…

自分の、存在の…あまりにも何もない…それに対する…自尊心が傷ついての事か。

貯まっていくハンカチは

返すまでは会える…その口実の為だったのだろうか。

なぜか、彼と会うときは持ち合わせていないハンカチは。

返そう。

早く。

もう、会うこともない。

私は、彼女の友達だから。

例え、もう会うことはなくなったとしても。

彼女の重荷になってるなら、それでいい。

彼女には、浜川さんがいる。

私には…

何もない。

でも、都合がいい。私には。

私が次に進む為には、何も無い方が都合がいいんだ。

少しばかりの決心を胸に、いつの間にか眠ってしまっていた。

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