Love-ing(アイエヌジー)
「行くぞ」
「あっ、はい!」

私は辻堂監督を追いかけるように、早足で歩きだした。
私たちが歩けるよう、周囲の人たちは道を作ってくれるんだけど(まるで「モーゼ」のようだ)・・私たちが一歩歩くたびに、ヒソヒソ声や「ヒューヒュー」とはやし立てる声が、周囲から聞こえてくる。
それに、周りの視線が・・「みんなに見られてる」って思うと、やっぱり恥ずかしくて、ついうつむき加減になってしまう。
いつもなら「顔の痣を見られたくない」という別の意味で、うつむいてしまうんだけど・・・これも、冒険者になると決めた私に対する「試練」というか・・・「クエスト」のようなものなのかな。
と思ったら、なんだかおかしくなって。顔を上げた。
すると大柄な辻堂監督の後姿が、私の視界にパッと飛び込んできた。

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