Love-ing(アイエヌジー)
私、ちょっと先走ってた。
この「状況」に対して上がりすぎる必要はないんだ。
だって相手は辻堂監督なんだから―――。

「あっ、あのぅ・・監督」
「ん?」
「傘のために今日はわざわざ学校まで来てもらって。すみませんでした」
「別に。気にすんなよ。てかおまえ、予備の傘持ってたんだな」
「あぁこれ・・は、お母さんのです。今日は出かける予定もないし、お母さんは予備の傘を持ってるからって、貸してもらいました」
「そっか。その手があったなー・・ま、傘のことがなくてもおまえに用、てか渡したいものがあったんだ」
「え?」
「別に急いでねえから、渡すのは次会う時でも良かったんだけどな。届くか?後ろ」
「えっ?あ・・はいっ」
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