仮眠室で愛を叫べば
「あのっ!
私電車で帰ります。」

みんなの視線に耐えられなくて、手を振りほどき帰ろうとする私の腕を先生がつかむ。

「送っていく。
まだ俺が一緒にいたいんだ。」

先生の言葉に全員が息を飲む。
恐ろしく今の宮前先生は色気たっぷりだ。
私の心臓ももはや限界だし、こんな彼をナースたちに見せたくなかった。
私だけ独り占めしたかった。

「やっっあのっ!
そう!眼鏡!
眼鏡を作ってきて下さい!」

「眼鏡?」

先生がとたんに不機嫌な顔になる。
もはや私の声は悲鳴に近かった。

「眼鏡をかけてない先生素敵すぎるんです!
誰にも見せたくないんです!!」

あぁやってしまった。

宮前先生も佐久間先生もそしてナースたちもが笑いだす。

「可愛いいヤキモチだな。
眼鏡をはずすのはベットの中だけにしろよ。」

「お前が言うとしゃれになんねぇよ!」

もはや真っ赤に染まる顔はずっとおさまることはなかった。

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