サマー・リフレイン



「大っ嫌い」


私の耳元で
彼女が言った。


「嫌い」


彼女の涙で
肩が濡れる。


「嘘。……大好き」

「!」


私は顔を上げた。

それと同時に
体が光に透けた
彼女が離れていく。

私も好き。
それは言えなかった。

言わなかった。

この「好き」が
彼女のものと
同じなのか違うのか

私にはわからなかったから。

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