お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
強く後頭部を引き寄せられ、深く、情熱的に舌を挿し入れられた。

こんなにいっぱいいっぱいな相手を前に、それでも手を緩めてくれない彼は鬼かと思った。

彼は私とは正反対で、涼しい顔で口づけを嗜んでいる。なんだかすごく手慣れている感じ。

きっと今まで、たくさんの女の子としてきたんだろうなぁ……そんなことを思っていたら、余計に切なくなってきた。

他の人にこんなこと、してほしくない。私だけにしてほしい。

これは独占欲ってやつだろうか。いつの間にか、彼を私のものにしたくなってしまっている。

キスひとつで落とされて、心を奪われた。私ってなんて簡単な女なんだろう。

「ぅ……ん……」

恥ずかしさと緊張で、もう心臓は爆発してしまいそうだし、酸欠で意識が朦朧とする。

痺れるような心地よさに失神しちゃったらどうしよう。

「……だめ……穂積さ……倒れちゃう……」

ぐったりと彼の胸に頭をつけたら、さすがの彼もクスリと笑って、キスの嵐をやめてくれた。
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