こんな恋の話【短編集】
「あと、これ。」
そう言って差し出されたのは一通の手紙。
“陽二くんへ”
バランスのいいきれいなその字は、他の誰でもない、すずの字だった。
「何度も言うけど、あたし、あんたのこと最低だって思う。許せないって思う。
でも…。すずは一度だってそんなこと言わなかった。だから、最後にチャンスをあげる。これがラストチャンスだから。」
そう言って俺に手渡すと、それ以上何も言わずに帰っていった。