迷惑なんて思ってないよ
何をどうすれば晴人のためになるのか、抱き締めながら考えている時だった。病室にいても聞こえるくらい、がやがやと近付いてきた津田さんたち。そのまま扉を開けて軽く頭を下げながら入ってきた。

「もう帰って良いのかー?」

「大変だったねー。大丈夫?」

「どういう状況?」

津田さんは伯母たちに頭を下げていたけれど、唯野さんは体を心配してなのか、いつ変えれるのかと訊いてきた。答えれる間も無く畑山さんが同情してくれたけれど、山中さんの反応が一番正しいと思う。
良い歳した兄弟が抱き合っている横で凛太郎くんが未だに頭を下げ続けていて、伯母たちはそれを険しい表情で眺めているだけなんだもの。
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