迷惑なんて思ってないよ
四章・災難の体育祭

俺は・・・

また、あの夢だった。巨大な骸骨が暗闇の中で彼女にこう言うんだ。本当にそれで良いのかと。彼女はそれで良いと答えた。それしかないんだと諦めているような表情で。

「おはよう」

「おはようございます・・・」

修学旅行の日から、彼女との間に壁が出来た。やっぱり告白まがいな事するんじゃなかったと酷く後悔している。せっかく仲良くなれてきたのにこれじゃ振り出しだ。いや、素っ気ない挨拶しか返って来なくなったのだから振り出しよりも不味い。
順調に積み上げていた積み木を崩された子供の気持ちってこんな感じなんだろうな。やる気も全て持っていかれてまた積み直せば良いなんて考えが浮かんでこない。今すぐ崩される前の高さに戻したいと願うんだ。
< 61 / 260 >

この作品をシェア

pagetop