天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
爽子がいなくなってから1週間。

突然、爽子の友達だと言う女性から会社へ連絡が来た。

『爽子の友人で高杉由梨といいます』

『高杉さんですか?』

『はい。爽子の友人であり、爽子の兄、高杉喜一の妻です』

『はあ。それで、何か?』

『爽子のことでご相談があるんです』


由梨さんの話によると、爽子はああ見えてすごく意地っ張りなんだと言う。
だからこのままでは引っ込みがつかないはず。
無理矢理連れて帰っても気持ちを閉じ込めて終わってしまう。
だから、爽子が帰ってこれるように一芝居打ちたいと言う話だった。

『一応嫁である私はあまり表立って動けないので、田島さんにお願いします』
爽子とは対照的にはっきりものを言う印象の女性。

その後、彼女が考えた作戦とやらを聞かせられ、俺も片棒を担ぐことにした。
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