アンバランスな想い
「何?」
光ちゃんは瑛ちゃんからの電話に出た

「スーちゃんならいるけど
一緒に勉強してるよ」

勉強してるのは光ちゃんだけだけど

私はボーっと
光ちゃんの携帯を眺めた

嫉妬でもしてるのかな?

瑛ちゃんの見た目からは
想像できないけど

心配症で
短気で
すこく嫉妬深い

光ちゃんの声がだんだん
低くなってきた

瑛ちゃんへの受け答えが
面倒くさそうだ

私は光ちゃんの隣に立つと
携帯を奪った

「光ちゃんと楽しんでるんだから
電話はしてこないでよ」

私は一方的に言うと
電話を切ってしまった

「やばいでしょう、それは!
兄貴に怒れるのは
僕だよ?」

光ちゃんが慌てた
その顔がとても可愛く感じる

「大丈夫
だって何もしてないもん」

「してなくても
兄貴はスーちゃんと僕が
二人きりでいること自体
苛々の種なんだって」

「なら飲み会を断ればいいんだよ」

光ちゃんはため息をついた
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