ヴァンパイア†KISS

最後のKISS

「とんでもないエクスタシーだ!」

ホール中で歓声と拍手の渦が巻き起こる。

キスを終えたわたしたちにウルフがゆっくり近づいてくると、眩しいものを見つめる目つきでわたしたちを見た。

「デュオ、カレン。……最高だったよ。ヴァンパイアにしかできない本物の官能のタンゴ。君達のタンゴは私たちヴァンパイアに命を吹き込んでくれた。見えるだろう?彼らが溢れるエクスタシーに体を震わせているのが…!」

ウルフが目を細めて見回したダンスホールを一緒に見回す。

周りを囲んでわたしたちを見つめていたヴァンパイアたちが口々に歓声を上げた。

「デュオ様とカレン様が私たちの王だ!!」

「お二人こそがヴァンパイアの王だ!!」

その瞬間、パンパンと拍手をしながらエマがウルフの後ろからひょっこり顔を出した。

「デュオ、カレン。素晴らしいタンゴだった。おかげで今の自分に戻ることができたわ。こんなに恋心を掻きたてられるダンスは初めてよ」

エマはそう言うと、嬉しそうにウルフの横で微笑んだ。

いつのまにかわたしたちの隣にいたブルースとサラも嬉しそうに微笑んでいた。

「カレン、いつかあなたたちみたいなタンゴをわたしもブルースと踊ってみせるわ!」

「……サラ」

サラはしっかりとブルースの腕に自分の腕を絡め、ブルースも照れたように微笑む。

デュオは目を細めてわたしの肩を抱き見下ろすと微笑んだ。









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