ヴァンパイア†KISS

キスの誘惑

「わ……ぁ!すごい!」

案内されて入った室内プールはほんとうに全面ガラス張りで、少し高台になったその場所は天体観測もできそうなほどに綺麗な星でいっぱいだった。

そして25メートルはあるプールが室内に広がっていて、きれいに澄んだプールの水が夜の闇に揺れていた。

わたしたちはプールの横のタイル張りになったところにある白の丸テーブルを囲んで座る。

「あ、あの、改めて、わたし、カレン・アサクラって言います。モデルをやってるなんてすごいですね!もてるんだろうなぁ。すごくかっこいいし!」

何を話していいかわからなくてとりあえず彼の外見を褒めてみて様子をみることにした。

でもほんとうにきれいに整った顔立ちで、モデルというのもうなづける。

「ありがとう」

アレックは一言お礼を言うと、テーブルの上にワイングラスを2つ置いて赤ワインをそそぎだした。

「え!あ、あの、わたしまだ未成年で…!19歳だし!」

「イギリス人は18歳からお酒が飲めるんだよ。今日は満天の星のもとなんだし、大人の気分を味わおうよ、ね?」

アレックはそう言うとコポコポと2杯分のワインを注いでいく。

ま、まあ、お酒の力を借りないと恋してない人とのキスなんてできないかもしれないし……。


< 55 / 411 >

この作品をシェア

pagetop