ヴァンパイア†KISS
「大丈夫?具合悪い?」

ブルースが心配げにわたしを覗き込んできたので、わたしは慌てて両腕を振って「大丈夫、なんでもないの!」と微笑みかけた。

その瞬間、かけてもらっていたタキシードが肩から滑り落ち、ストールごと剥がれ落ちた。

「あ、僕が拾うよ」

ブルースはストールとタキシードを拾おうと身をかがめる。

わたしも慌てて身をかがめて拾おうとすると。

ブルースの顔とわたしの顔がかなり接近し、ブルースが突然息を呑むように動きを止めた。

そして、「ハ…ぅ、ア…」と吐息をもらす。

「君、甘い匂いがするね…」

そう言うと、わたしの顎を片手で引き寄せブルースの唇をわたしの赤いルージュの入った唇に重ねた。

「う…ん~!」

ブルースの唇はついばむようにわたしの唇を挟むと、奥へ入ろうとその舌を淫らに動かす。

「や…ぁ!」

いやだ!

デュオじゃないと嫌!!

わたしに………


< 76 / 411 >

この作品をシェア

pagetop