ヴァンパイア†KISS
少しずつ……後ずさるようにわたしは地下をあとにしていた。

理事長の薄気味悪いほどの執着心。

ヴァンパイアの全てを知り尽くしたかのような豊富な知識。




――――こんなことって……!!



理事長はデュオがヴァンパイアだと気づいた。

そしてもし。

わたしの血の半分がヴァンパイアだと知ったら………!!

わたしは、研究材料にされるのだろうか…。

サラ。

まさか親友のあなたの父親とこんな形で相対するなんて……。




エマ………!!

あなたは今、どこにいるの?

人間だったあなたはきっと、人間とヴァンパイアに挟まれてつらい思いをしたはずだ。



―――ヴァンパイアを愛してしまったために。



教えて、エマ。

あなたは人間として、ヴァンパイアとして、どう生きたの……?


あなたは、ヴァンパイアを…………



どう愛したの?


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