三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ零


一日生きて行けるか
行けないか。

別にお給料が少ないわけじゃない。

給料は日払いで
毎日仕事が終わると支払ってもらえる。

金額は、だいたい三万円。

そこらへんのコンビニなら
1日働くだけでは
手に入らない金額だ。

福沢諭吉が三人もいれば、
お金には困らない。

それでも、
私は一日生きれるかどうか
際どい所を生きている。

理由は、簡単だ。
あの女が、金を奪っていくから。


私は店のドアを開けた。
途端、店のオーナーが
鬼のような形相で私を出迎える。


「とっととしな!
アンタを指名してる客が
そこに行列作ってるよ!」

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