筆に込められたラブレター
私じゃないんだと思いながらママは封筒を開ける

「あら、これは莉奈にかしら」

「はい」

恥ずかしそうに勇斗は返事した

「これを筆で書きたくて……」

莉奈は横から覗き込んだ

「えっ、これって……」

私は顔から火が出るくらい恥ずかしくなった

「私に?」

「うん」

「で、これは半切(はんせつ)で書く?連落ち?」

「連落ちってなんですか?」

「半切よりまだ大きい半紙よ」

「部長に学祭のスペースどのくらいあるか聞いときます」

「そうね、それで大きさは決めましょ、それとこれに莉奈が返事を書くという感じになるのかしら」

「はい」

返事……
これに返事、返事

私は頭の中がぐるぐる回っていた

「莉奈、ゆっくり考えてくれて構わないよ、まだ学祭まで日はたっぷりあるんだから」

「うん、わかった」

「じゃあ帰るね」

勇斗はバイクに乗って帰っていった
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