運命の恋~もしもあの時・・~
31
~もうひとつの世界~

ハッ、眠ってた?どれくらい?
ここはどこだろう?懐かしい匂いがする…

視界が定まらない。
どうやって視点合わせるんだっけ?
思うように身体が動かない…

「田邉さん、大丈夫?まだ頭の痛みとめまいしてる?」

「いや、寝たら治ったみたいだ。」

田邉さんか…
期待した分かなり凹む…

「寝たって言っても10分くらいよ?なんだったんだろうね。そっか、でもとりあえず治って良かった。」

香織の声がだんだん涙声になっていっている?泣いてる?
香織の顔を見たいのに視点が全く定まらない…
香織を抱きしめたくて手を伸ばす。

「泣いてる?ごめん、期待したよな。はぁー。」

目を閉じ深いため息をつく、
香織は差し出した手を握った。

「ごめん、泣かないって言ったのに。お互い辛いのに私だけ…ごめん…。」

「ハハッ、さっきまで一緒にって言うか俺のほうが泣いてたよ?ねぇ、抱きしめてもいい?もう押し倒したりしないから…香織、お願い。」

香織のほうに向き直り手を引き抱き寄せる。
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