目覚めたら契約花嫁
「お一人ですか?」


その言葉にロイが頭に浮かぶ。

まだベッドで熟睡している彼を………。

彼は夜中に抜け出したのだろう。


「リンさん?」


目の前の彼女達に意識を戻した。



「ううん、彼と一緒に。先に目が覚めたから一人で散歩に。」

「彼って………噂のですか?」

「うん、まあ。」


そんな会話をすれば、盛り上がる彼女達。

どこの国でも反応は一緒みたい。

自然と同年代の彼女達と話は盛り上がる。


「失礼、リンさん?」


盛り上がっている私達の中に落ち着いた男性の声が聞こえてきた。

ピタリと止む彼女達の笑い声。

視線は男性に集中した。


「ロイ・レアードさんの婚約者のリンさんですよね?」


如何にも怪しい雰囲気の男性だ。

肩からレフ付きのカメラを掛けている。
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