目覚めたら契約花嫁

真実

「ロイ、どういう事?」


静かに呟いていた。

涙なんか止まり、目の前のロイを見上げる。


「ロイ、会社が窮地に陥るって?」

「それは………。」


口籠るロイを見上げる。

水が髪からポタポタと滴り落ちる。


「ほら、言えないじゃない。ロイ、私と結婚すれば全てが上手くいくわ。」


エミリーの勝ち誇ったような声が聞こえてくる。

弱みを握られていると確信した。

何の?

過去?

余程の過去なのだろうか?

疑問ばかりが浮かんでくる。


「エミリー、また同じ過ちを犯すつもりか?」


静まり返るプールに響いたロイの声は怒りが含まれていた。


「過ち?私は過ちなんて………。」

「俺が結婚するから横取りに来ただけだろ?俺なんて愛してもいないのに。」


エミリーに視線を向けるロイの表情は見えない。

けど、確実に睨んでいるだろう。

ロイが私を背に隠し、エミリーを見据えた。
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