目覚めたら契約花嫁
「それでか………。」


ロイの小さな小さな呟きが聞こえた。

きっと私の様子が変だった理由を理解したのだと思う。


「助けてあげましょうか?」

「………助ける?」


ロイが記者を牽制するような声を出す。

助ける?


「エミリー・ジョーンズを追い掛けてきた私がお二人を助けましょうか?」

「あなた………何を言って………。」

「裏の顔まで見てますよ?私は。」


そんな事をして彼は大丈夫なの?

この先、仕事に支障が出るかもしれない。

それなのに私達を助けてくれる?

なぜ?


「あっ、でもレアードさん達には交渉に応じて貰いますけど。」

「交渉?」

「そうです。」

「望みは?」


ロイの威嚇するような低い声が響くが、記者は気にする様子は見られない。

かなり神経が図太いのか?
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