桜の花が散る頃に
土日を挟んで、週明けの月曜日。

「大丸ぁぁぁ!やっと来たな!!先生心配したんだからな!?電話も繋がらないし!!」

「あ、ガッちゃんおひさ。しばらく実家の方戻ってたからそっちに電話くれれば…って、そういや記入してないわ。」

土日の間に申請が通ったらしく、ようやく虎丸が学校に出てきた。

「とーらまーる君ー!!!おはよ!!」

夏実は相変わらず騒がしい。

「藍泉さん、色々ありがとな。」

「やだー夏実でいいよ!私も君付けやめる!今この時をもって!」

夏実の声がバカでかいせいで、他の生徒達の視線も集まる。

しかしその視線に御構い無しなのが、夏実とガッちゃん。
そういや、ガッちゃんと夏実って似てるかも。

うるさい所とお節介な所。

「大丸、髪の毛!それ他の先生に見つかったら即アウトだぞ!」

「あー、切りに行く暇と金が無くて。ガッちゃんが切ってよ、元美容師っしょ?」

「えー!遼河先生って美容師だったのー!?」

ほんっとうるさくて耳ちぎれそう。

ガッちゃんが美容師だったのは割とこの学校では有名な話で、女子達がガッちゃんにヘアアレンジの方法を聞いてるのを見たことがある。

まーどうでもいいんだけど…。

「とりあえずこれで、2年A組が全員揃った!先生は嬉しいです!!!」

ようやく埋まった空席に、ガッちゃんが大興奮。
上の先生達からも不登校をどうにかしろってガミガミ言われてたみたいだし、

これで全て解けつ

「嬉しいので言うの忘れてましたが来週から期末テストです!!先生期待してるよ、君達がいい点取れる事を…ね、塩谷君…?」


前言撤回。ぜんっぜん解決じゃない。

すっかりテストの事なんて忘れてた。
涌井と夏実も意地悪、教えてくれてもいいのに!








その二週間後、期末の順位が廊下に張り出された。

【一, 涌井 学 2-A-30 899】
【二, 藍泉 夏実 2-A-1 896】

【十三,大丸 虎轍 2-A-4 868】

【三十,結城 祥子 2-A-28 794】




「…なんっでお前らみんな50番以内なわけ!?夏実と学は良いけどさ!?結城と虎丸は俺の仲間じゃないの!?」

「メディア活動の許可と部活免除してもらってる手前悪い点は取れなくて。」

「俺は…ばーちゃんが寝てるとき勉強してたから。」


塩谷秋人、みんなに裏切られた気分です。


「あ、塩谷!お前追試受からなきゃ夏休み補習だからな〜」


ハロー宇宙!!!
こんなだけど今日も一応、世界は回ってます!!


[虎丸と夏実]end
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