クールな弁護士の一途な熱情



翌日、金曜日の午後。

今日は静は1日外出をしており、事務室には私と花村さん、外出から戻ってきたばかりの壇さんの三人がいた。



「あれ、果穂今日なんだかいつもよりちょっと気合い入ってない?」



それは、いつもより丁寧に巻いた髪と、おろしたての黒いレースのブラウスなどいつもとほんの少し違う私の姿を見ての言葉だった。



「実は、今日高校時代の部活仲間と飲み会があって」

「へぇ。いいわね、楽しそう。伊勢崎先生も行くの?」

「はい。来るって聞きました」



私と花村さんの会話を聞いて、壇さんはパソコンを開きながら言う。



「高校の仲間かー。ね、好きだった人とか来ないの?」



『好きだった人』、その言葉に心臓がギクリとする。

それなら毎日のようにここで会ってますよ、なんて言えるわけもなく、笑って否定する。



「ないですよ、私彼氏もいなかったですし」

「わかんないよー?この歳になって再会するからこそ燃える恋もあるし?」



壇さんはニヤリと笑ってからかうように言う。そこにすかさず花村さんが言葉を足した。



「都子も元カレとは同窓会がきっかけで燃え上がったのよね」

「他の女とも燃え上がってたみたいだけどね……」



つまり二股されてたということか……。

思い出したようにがっくりと肩を落とす壇さんに、私と花村さんはくすくすと笑った。


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