恋するリゾート
    この少し前 つぐみと信は

    婚約を解消していた

    今までかわいがってくれた早川家 

    そして 信に 何も言わずに

    姿を消したことが

    気になっていた

    夜逃げの日に

    信君に会いに行ったけど

    会えなかったから


    
    父と母は借金返済の為  

    昼夜働いているので

    こっそり 早川の家まで

    バスと電車を乗り継いで行った


    あの日も雪

    なんで いつも雪の日に

    私は 言っちゃうのかな

    そんな 突っ込みを
   
    自分に しながら


    見上げたシンの部屋は 

    真っ暗だった・・・・・

    「 また いない・・・・

バイトかな?

     ・・・・・・・帰ろう

・・・・シン君

     私たちの事気にも

     留めてないかも

しれないし・・・」

     懐かしい景色に 目を向けながら

     とぼとぼと歩く

     いつも シンと遊んでいた公園が

     見えてきた 懐かしいな・・・

     そう思いながら  

     目を向けると 長身の青年 


     ・・・・・シン君? ・・・・・

     ・・・・・・・・一緒にいるのは

     ・・・・・・・ めぐみ?

     あわてて 木の陰に 身を寄せた


     「 ・・・・・・・・・スキなの

  
      ・・・・・・・・・やっぱり


      ・・・・・・わすれられない」


   「俺は・・・・・・・・・・

    あの時と何も気持ちは

変わっていない

    ・・・・・・・やっつぱり

    ・・・・・・・が スキなんだ

    ・・・・・・・俺だって・・・・

    ・・・・忘られるなんて無理だ


         ・・・・・・・・・」


    途切れ途切れに

聞こえてくる二人の会話


    つぐみは 目の前が


涙でかすんでいく


    その涙が こぼれないように

    上を向いて 歩きだした 
 
    あの日の胸の痛みを

    思い出しながら
    
    思わずつぐみが つぶやいた

    あの日のこと 信くん 

    相当ショックだったんだ・・・・・
< 30 / 44 >

この作品をシェア

pagetop