トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
ある日、梨沙は限定品のポーチを盗まれたと騒いだ女に私が同じものを持っていたとチクった。

女は私のクラスへやってきて私の頬をはたいた。

盗んだなどというあらぬ疑いをかけられ一瞬困惑したものの、これを逆手に取ることを思いついた。

元々塾へは成績が伸びずに嫌々通わされていた。

親には『ポーチを盗んだと責められて暴力を振るわれたからもう塾に行きたくない』と話し、まんまとやめることに成功した。

杉原梨沙には心の底から感謝した。

そこで、ふとある考えが頭を過った。あの女の歪んだ正義感は姉に通じるところがある。

梨沙を利用して、姉の薫子共々この世から葬り去れないだろうか。

そこで私はすぐに動いた。

姉に梨沙の話をし、『杉原さんがお姉ちゃんと親友になりたいと言ってる』と嘘を吹き込み続けた。

今まで親友どころか友達すらいなかった姉は私の言葉をうのみにし、梨沙と同じ高校を受験しまんまと同じ高校に通い始めた。

そして、ついに姉と梨沙は同じクラスになった。
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