【完】俺の隣にいてほしい。
椿くんはサドルにまたがり、バイバイとこちらに手を振ると、自転車をこいで帰っていく。


私は自分の胸に手を当てながら、そのうしろ姿をいつまでも目で追っていた。


どうしよう……。ドキドキがおさまらないよ。


椿くんと一緒にいると私、ドキドキしてばっかりで。


彼の言葉や仕草の一つ一つに心が反応してる。


彼に優しくされたり、嬉しいことを言われたりすると、そのたびに胸が高鳴るんだ。


今だって、もう少し一緒にいたいなんてことを思ってしまった。


不思議だよね。男の子に対してこんな気持ちを抱いたのは初めてだよ。


もしかしてこれが、恋なのかな……。


私、椿くんのことを、好きになっちゃったのかもしれない。



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