【完】俺の隣にいてほしい。
「ほら~、やっぱり! 人は見た目によらないって言ったでしょー? イケメンで実は優しいとか最高じゃん! これはもう、本物の彼女の座を狙っていいんじゃないかな~」


「な、何言ってるのっ! ダメだよっ、あんな不良と付き合うなんて!」


だけど、彩実ちゃんは、やっぱりまだ椿くんのことを警戒してるみたいで。


「なんで~? いいじゃんべつに。彩実は心配しすぎだってば~」


「そんなことないよっ。だってその人、まだ最初だから優しいふりをしてるだけかもしれないし。本性はわからないでしょ」


「そうかな~?」


「実は遊び人かもしれないし、まだ完全には気を許さないほうがいいよ」


そんなふうに言われて、思わずうなずいた私。


「う、うん。そうだよね……」


確かに現実的に考えたら、彩実ちゃんの言うことはもっともだと思う。


まだ、彼のすべてを知ったわけじゃないし、本性はどんな人なのかわからない。


でも、一緒に過ごした感じでは、そんなに悪い人には全然見えなかったんだけどな。


むしろ、とってもいい人に思えた。


実を言うと、昨日帰った後に椿くんからまたメッセージが来て、『これから毎日放課後迎えに行くから』って言われちゃったんだけど、やっぱり気を付けたほうがいいのかなぁ……。


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