Love EaterⅡ


「つまり、把握した限りの魔混じりって存在はもれなく政府に囲われてるってわけだ」

「まあ…そうなるな。お前みたいに隠れ魔混じりしてる奴もいるんだろうが、基本魔女のそれと同じで親が子供に異変を感じたら魔導師を頼ってくるからなぁ。病的な異変じゃなきゃじゃあ魔導師だ!って思考と判断と結論っていうか」

「成る程ね、魔混じり云々の認識を持ち合わせてなくてもそんな魔混じりホイホイな常識植え付けられてちゃねえ」

「おま…ホイホイって」

「ソルトもそんな感じで発覚したの?」

「まぁな、俺の場合何かに興奮しすぎた拍子に犬歯が生えてね」

「じゃあ、お父さんとお母さん驚いたんじゃない?」

「いや、別に。俺んとこじゃ魔物の曾祖父さんと祖母さんの種族越え大恋愛物語は耳にタコな伝説だったもんで。俺に隔世遺伝発覚しても『あらまあ、』程度の反応だったさ」

何の前知識もない変化であればそりゃあ大騒ぎの事態であったのだろう。

我が子が覚えのない魔の気を孕んでいるのだ。

人によっては絶望し、酷い場合は畏怖を露わに拒絶するなんて事も。

そんな風に最悪的に壊れていく家族も幾度と見てきたのだ。

それに比べたらどれだけ幸せな家庭環境と言えたのか。

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