Summer -未成年-
第6章


第6章


少年に力はなく
少女には思想を与えられず





窪田 トシヤ
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この日の為に、
生まれて初めてRight-onへ行った。


キョドキョドしていた僕を見つけた店員のお兄さんが、

「今年の流行りはっすね、グレーにグレーを合わせるんすよ!!」

と優しくエスコートしてくれて、
人生初の服の買い物をする事が出来た。




迎えた8月10日。


終業式以来にくぐった校門の先、
既にチサトも荒木もそこにいた。



「うっわぁ窪田・・ねずみ色だな。」


チサトが早速僕の“ふぁっしょん”の違いに気付いたのか、興味津々に僕の周りを回る。


「こ、今年の流行りは・・
グレーにグレーを合わせるんだよ!」


「うん、良い感じにダサいよ。」



二度とRight-onへは行かないと固く決意させてくれる笑顔を向けてきた。




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