虹色シンデレラ
「虹子様、本当に大丈夫ですか?」

朝食後、部屋に来た乃梨子さんが心配そうに声をかけた。

いつもなら大学に行く準備が出来ている頃なのに、今日はまだ普段着のまま。

髪もボサボサでお化粧だってしていない。


「今日はお休みされますか?」


「うん。そうします」

「えっ」

自分で聞いておきながら、乃梨子さんが驚いている。


「今日は1日家にいます。具合が悪いわけではないから、お母様にも哲翔さんにも言わないでください」

「かしこまりました」

それ以上追求することもなく、乃梨子さんは出て行った。
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